奈良動物医療センターでは体に負担の少ない「腹腔鏡下避妊手術」をおすすめしております。

「腹腔鏡下避妊手術」では、この技術を利用して、通常の避妊手術(腹腔鏡を使わない方法については以前のブログで説明しています。)と同じく卵巣子宮の摘出を行います。

腹腔鏡下手術は避妊手術の他、腹腔内停留精巣切除、大型犬の胃捻転予防のための胃固定手術、肝臓など腹腔内の組織検査、胆嚢切除なども行うことができます。

腹腔鏡下避妊手術のメリットとデメリット

メリット

●傷口が小さい
●痛みが少ない
●手術部位を拡大して見ることができる

デメリット

●大きな出血があった時は対処が困難であり、開腹に切り替える必要がある
●機器が高額で、手術費用が高くなる
●熟練した技術が必要

腹腔鏡下避妊手術の実際

  • 全身麻酔を行い、手術部位を広範囲に毛刈りし消毒します。

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  • 臍の下に約5mmの穴をあけ、トロカーと呼ばれる器具をお腹に挿入します。トロカーを通してカメラをお腹の中に入れます。

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  • お腹の中に炭酸ガスを注入しお腹を膨らませます。
    これにより手術の為の安全な空間と視野が確保されます。
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  • さらに2カ所にトロカーを挿入し、専用の長い鉗子(臓器をつかむ道具)や超音波メス(超音波で止血と切断が同時にできるハサミ)を入れます。
     
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  • 鉗子と超音波メスを用いて卵巣・子宮の摘出を行います。
    開腹手術の場合、卵巣付近の止血処置などのために、背中側に存在する卵巣を強く引き上げる必要があり、この時痛みが生じ術後もしばらく続きます。
    腹腔鏡では、もともと卵巣がある位置の近くで処置を行うためで、強く引き上げる必要がなく、痛みが少なくなります。
      
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  • 卵巣子宮の摘出後、カメラで再度出血などの問題がないか確認します。問題がなければ、お腹の炭酸ガスを抜き、切開した3カ所(5mm~1.0cm)を縫合し、手術を終えます。

ご予約から手術、術後の診察までの流れ

1.手術の予約

お電話での御予約も可能ですが、予約前に診察を受けていただくことをお勧めします。身体検査を行うと共に腹腔鏡避妊手術の説明(麻酔や手術について、合併症・費用等)を直接させて頂き、その場でご予約をしていただくことができます。

2.手術当日

前日の晩ご飯後はご来院まで絶食してください。当日10時以降はお水も止めてください。
9:00~11:00にご来院いただき入院となります。
13:00~17:00に 手術が行われます。
17:00~19:00には 術後のご面会が可能です。

3.退院

手術の翌日の9:00~12:00又は17:00~20:00に退院になります。
通常、術後の投薬は必要ありません。
エリザベスカラー(傷を舐めるのを防ぐエリマキ)のご購入が必要なことがあります。

4.退院後の診察

手術後3~5日に診察をうけていただき、体調と手術創に問題が無いかの確認を行います。

5.抜糸

術後10日で抜糸となり、一連の処置が終了となります。